2010/8/4

ロシア

ロシアを襲う猛暑、経済への影響に懸念

この記事の要約

観測史上最悪の猛暑がロシア経済に与える影響が懸念されている。森林火災による損害に加え、干ばつによる穀物の収穫減、異常気温を理由とした工場の操業停止など、経済活動に支障が出始めているためだ。同国気象庁によると今週も猛暑が続 […]

観測史上最悪の猛暑がロシア経済に与える影響が懸念されている。森林火災による損害に加え、干ばつによる穀物の収穫減、異常気温を理由とした工場の操業停止など、経済活動に支障が出始めているためだ。同国気象庁によると今週も猛暑が続く見通しで、被害がどこまで広がるかは不透明だ。

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ロシアにおける今年の穀物収穫高は、昨年より20~25%少ない7,200万~7,500万トンへ減少すると予測される。国内需要は備蓄穀物の放出でまかなえるが、政府が力を入れている輸出への影響は未知数。世界の小麦先物価格はロシアの天候を受け、7月初め以来、上昇を続けている。ただ、国際穀物協会では、政府が輸出規制措置をとる可能性は低いとみる。輸出国としてのイメージダウンとなるのが必至だからだ。

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企業の活動にも影響が出ている。国内自動車最大手アフトワズはトリヤッチ工場の近くまで火が迫り、2日から8日までの予定で操業を停止。競合のGAZも異常気温を理由に先月26日から2週間、生産をストップさせている。火災の被害が出ている地域では、他の大手企業も従業員が消火活動に当たれるよう、特別休暇を出している。

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ロシアでは2日までに55万ヘクタールの森林が焼失した。死者は40人に達し、焼失家屋数は1日までに1,862棟を数えている。。メドベージェフ大統領は2日、森林火災が深刻なロシア西部の7州について、非常事態宣言を宣言した。ロシア政府は被災者救援費用として2億ユーロが必要になると推測している。

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