資産規模でポーランド4位の銀行であるバンク・ザホドニWBK(BZ WBK)が28日発表した2010年4-6月期の純利益は、2億5,010万ズロチと前年同期の2億5,420万ズロチからわずかに後退した。コスト増大を金融収入の伸びが相殺した形だ。
\料金・手数料収入は3億3,570万ズロチで前年同期を上回ったが、賃上げによる人件費や引当金繰入額などコストが増加し、利益の伸びにつながらなかった。金融収入は24%増の43億8,300万ズロチに急増した。費用収入比率は48.7%で前年同期を2.9ポイント下回った。預貸率は3.3ポイント減の83.1%、株主資本利益率(ROE)は4.6ポイント増の17.7%へ改善した。
\引当金繰入額は1億4,640万ズロチとアナリスト予想を1,840万ズロチ上回った。しかし、現地の証券アナリストは「3,800万ズロチが『既発生未報告損害(IBNR、決算日現在すでに発生しているが、まだ保険会社に報告されていない保険事故にかかる損害)』に対するもので、BZ WBKの用心深い経営姿勢を示すもの」として、同行の経営に問題がないとの見方を示している。
\なお、予定されるBZ WBKの売却については、買収を希望する銀行との交渉が進んでいる。非公式筋によると、ポーランド国営銀行のPKO Bank Polskiのほか、西サンタンデール銀、仏BNPパリバ銀と伊インテサ銀が交渉の席についているもようだ。今月中旬の買収提示を受け、9月初めにも売却先が決まる見通し。
\BZ WBKの親会社であるアライド・アイリッシュ銀行(AIB)は金融危機で経営が悪化。アイルランド政府による銀行救済措置を受ける条件として、より厳しい資本規制を満たす必要に迫られている。このため、今年4月、保有するBZ WBK株70%を売却する方針を発表した。(1PLN=28.35JPY)
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