2010/8/4

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、再可エネ促進法を改正

この記事の要約

ルーマニア議会で先ごろ、再生可能エネルギー促進法(Law220/2008)の改正案が可決され成立した。現行法と比べ風力発電やソーラー発電事業者へのインセンティブを強化し、クリーンエネルギーの普及加速を狙った内容となってい […]

ルーマニア議会で先ごろ、再生可能エネルギー促進法(Law220/2008)の改正案が可決され成立した。現行法と比べ風力発電やソーラー発電事業者へのインセンティブを強化し、クリーンエネルギーの普及加速を狙った内容となっている。

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改正法は、グリーン電力証書交付制度の拡充を柱としている。グリーン電力証書は、クリーンエネルギーによる電力の環境付加価値を取引可能な証書にしたもので、再生可能エネルギー発電事業は、供給電力1メガワット時(MWh)ごとに国営送電会社トランスエレクトリカからグリーン電力証書を交付される。証書の交付単位はエネルギー源によって異なり、現行法では風力が2単位、バイオマスが3単位、太陽光が4単位となっているが、改正法では風力は2017年までが2単位で、18年からは1単位となるほか、バイオマスは3単位、太陽光は6単位となる。証書はルーマニア電力市場・送電網管理協会(OPCOM)が運営する市場で取引され、取引価格は1単位当たり27~55ユーロと定められている。

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改正再生可能エネルギー促進法の施行には、エネルギー規制庁による適用指針と欧州委員会の承認が必要で、関係者は、施行は来年初頭になるとみている。

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ルーマニアではこのところ風力発電の大型投資案件が相次いでおり、国営電力会社エレクトリカが発電容量50MWの風力発電施設(ウィンドファーム)をコンスタンツァに2カ所、ガラツィに1カ所にそれぞれ建設するほか、石油最大手ペトロムも風力発電事業に参入することを表明している。外国企業の動きも活発で、チェコ電力大手CEZは総発電容量600MWの、スペインのイベルドローラは同1,500メガワットのウィンドファームをそれぞれ建設する計画だ。

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ルーマニアの風力発電ポテンシャルは1万4,000MWと、南東欧地域で最大を誇るが、現在の発電容量はわずか14MWにとどまっている。

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