2010/8/4

ハンガリー

外貨建て融資の返済不能者が増加

この記事の要約

返済に行き詰る人が増加している。同国では住宅や自動車を購入するとき、フォリントより金利の低いユーロやスイスフランでローンを組むのが一般的。外貨建てローンは個人向け融資全体の約7割に達しており、経済の重要なけん引役を担って […]

返済に行き詰る人が増加している。同国では住宅や自動車を購入するとき、フォリントより金利の低いユーロやスイスフランでローンを組むのが一般的。外貨建てローンは個人向け融資全体の約7割に達しており、経済の重要なけん引役を担ってきたが、フォリント安で返済額が膨らみ返済が困難となるケースが増えている。

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ハンガリーで外貨建て融資を利用している人は人口の15%に当たる150万人。銀行融資被害者協会のレーナール事務局長によると、外貨建て融資の返済が不能又は滞納している人は25万人に上る。オルバーン政権は先ごろ、住宅ローンの未払いによる強制退去を12月31日まで猶予する措置を導入したが、レーナール事務局長は、こうした措置は「暫定的なものに過ぎず、問題の根本的な解決にはつながらない」と警告。また、消費者の返済能力を考慮せず放漫な融資を続けた銀行の責任も大きいと指摘する。

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リーマンショック以前は対ユーロで250フォリント前後で推移していた為替相場は、09年3月に300フォリントの大台を突破した後、270~290フォリントの水準を保っている。6月に政府高官が、「ハンガリーがギリシャのような債務危機を回避できる見込みはわずかだ」と発言したと伝えられたことがきっかけで財政破たんへの懸念が膨らみ、フォリントへの圧力は高まっており、市場関係者は今後数カ月間、フォリント相場は乱高下する可能性が高いと指摘する。(1HUF=0.40JPY)

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