2010/8/4

ロシア

米コノコフィリップス、ルクオイルの全株式売却へ

この記事の要約

米石油大手のコノコフィリップスは28日、保有する露ルクオイルの全株式を売却すると発表した。売却益を自社株の買い戻しや有利子債務の削減に充て、財務の改善を図る。\ コノコが保有するルクオイル株20%のうち、7.6%はルクオ […]

米石油大手のコノコフィリップスは28日、保有する露ルクオイルの全株式を売却すると発表した。売却益を自社株の買い戻しや有利子債務の削減に充て、財務の改善を図る。

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コノコが保有するルクオイル株20%のうち、7.6%はルクオイルが第3四半期に34億4,000万米ドルで買い戻す。残りの株式は、来年末までにルクオイルが買収するか、市場に放出するかのどちらかとなる。

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コノコは1990年代にロシアへ進出。2004年にルクオイルと合弁でロシア北部の石油・ガス田開発会社を設立すると同時に、ルクオイルに資本参加した。ルクオイルへの出資比率を2006年までに20%に引き上げた。

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今回の資本撤退について、コノコのマルバ最高経営責任者(CEO)は、株主利益を増加させるための措置と説明。ルクオイルやロシア当局との関係は良好として、今後も実りある協働関係を保ちたいとの意思を明らかにした。一方で、ルクオイルへの投資で意図していた共同事業は実現しなかったと話した。

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ロシアのアナリストらは、今回の取引がルクオイルにとってもコノコにとっても有益とみる。ルクオイルは、比較的少ない資金で市場に流通する自社株の数を減らせる。また、コノコは2008年に318億ドルの記録的な赤字を計上して財務がひっ迫しており、資金調達が火急の課題となっているためだ。

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コノコはルクオイル株の買収に75億ドルを投じた。売却額は100億ドルと予測されている。

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