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2011/7/6

チェコ・スロバキア

ドイツはチェコに電力通過料を払うべき=CEZ社長

この記事の要約

チェコ国営電力会社CEZのマーチン・ローマン社長は6月末に開かれた議会の予算委員会で、「ドイツはチェコを経由する電力輸送料として最大70億コルナを支払うべきだ」と発言した。ドイツの再生可能エネルギー発電所は北部に集中して […]

チェコ国営電力会社CEZのマーチン・ローマン社長は6月末に開かれた議会の予算委員会で、「ドイツはチェコを経由する電力輸送料として最大70億コルナを支払うべきだ」と発言した。ドイツの再生可能エネルギー発電所は北部に集中しており、同地のエコ電力はチェコとポーランドの送電網を経由してドイツ南部に供給されているためだ。同社長はさらに「チェコがドイツの電力通過を拒否したら、ドイツの送電システムは崩壊する」「チェコの送電網にドイツへの電力輸送を命じる法律はない」と強気な姿勢に出た。

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背景には2022年までの脱原発を決めたドイツへの警戒心がある。CEZはチェコ政府の支援を受け、国内のテメリン原発で原子炉2基の新設を計画しているが、ドイツが将来、チェコにも原発廃止を迫る可能性があると懸念している。ローマン社長は「ドイツがチェコの原発電力の輸入なしでやっていくことは不可能」と述べ、原発の必要性を強調した。(1CZK=4.83JPY)

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