2011/7/6

CIS諸国

Inter RAO、ベラルーシへの電力供給を再開

この記事の要約

ロシアの電力大手Inter RAOは2日、ベラルーシへの電力供給を再開した。同社はベラルーシの電力料金未払いを理由に6月29日から供給を停止していたが、同国政府が4、5月分の未払い額、12億ルーブル(4,248万ドル)を […]

ロシアの電力大手Inter RAOは2日、ベラルーシへの電力供給を再開した。同社はベラルーシの電力料金未払いを理由に6月29日から供給を停止していたが、同国政府が4、5月分の未払い額、12億ルーブル(4,248万ドル)を支払ったため、メドベージェフ露大統領の指示に従い供給を再開した。現地英字紙『モスクワ・タイムズ』が4日、報じた。

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今回の供給停止はベラルーシの通貨危機の深刻さを改めて浮き彫りにした。同国ではルカシェンコ政権が積極財政政策を取る一方で貿易赤字が急激に悪化し、外貨準備が急減。5月には自国通貨ベラルーシ・ルーブルの公式レートを対米ドルで36%引き下げた。一方、物価上昇と輸入品不足は進んでおり、国内ではルカシェンコ独裁政権への批判が高まっている。

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ロシアのセチン第1副首相は先ごろ、Inter RAOの供給停止措置について、ロシア政府は一切関与していないと発言したものの、市場関係者はベラルーシに国営企業の民営化を迫るために政府が圧力をかけたと推測している。ロシアなど旧ソ連6カ国が加盟するユーラシア経済共同体(EAEC)はベラルーシへの金融支援の条件として、同国政府に対し今後3年間にわたって国営企業の民営化を実施し、毎年少なくとも25億ドルを調達することを求めている。民営化予定の企業への参入を狙っているのは、ロシアの政府系大手企業だ。

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EAECは危機対策基金から今後3年間で総額およそ30億ドルをベラルーシに供与する予定で、6月21日には支援の第1弾として8億ドルを融資した。ベラルーシは国際通貨基金(IMF)からも80億ドルの支援を得ることを模索している。

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