2011/7/6

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

IMFがルーマニアに追加支援、融資6.8億ドルを承認

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)理事会は6月27日、ルーマニアに対する金融支援を承認した。3月に締結した予防的スタンドバイ協定に基づき、6億8,300万米ドルを融資する。\ ルーマニアは2008年秋のリーマン・ショック後に経済が悪 […]

国際通貨基金(IMF)理事会は6月27日、ルーマニアに対する金融支援を承認した。3月に締結した予防的スタンドバイ協定に基づき、6億8,300万米ドルを融資する。

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ルーマニアは2008年秋のリーマン・ショック後に経済が悪化、09年にIMFや欧州連合(EU)などから総額200億ユーロの支援を受け、今年3月には総額50億ドルの追加支援で合意した。支援の期間は2年間で、36億ユーロをIMFから、残りの14億ユーロをEUから受ける。政府は追加支援について、昨今の欧州債務危機を受けて将来の緊急時に備える予防的な意味合いを持つものであり、実際に融資枠から引き出す予定はないと説明している。

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ルーマニアは国際機関からの金融支援を受けるため、公務員給与の削減や年金の凍結などにより財政再建に取り組んできた。この結果、3月末時点の財政赤字額は52億レウと、前年同月末から30億レウ減少した。リプスキーIMF専務理事代行は声明で、同国が「11年度の財政目標達成に向けて順調に進んでいる」と評価する一方で、「これまでの改革の経済的成果を確実なものとし、投資と成長のチャンスを拡大するためには、国有企業の構造改革など一層の努力が必要だ」と指摘した。

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■フィッチは信用格付けを引き上げ

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米格付け大手フィッチ・レーティングスは4日、ルーマニアの信用格付けを1段階引き上げ「BBB-」とし、格付け見通しも「安定的」とした。財政赤字削減の進捗状況と景気の回復基調を評価した。

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ルーマニアの今年第1四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比1.7%増となり、2年ぶりにプラス成長に転じた。政府は昨年6.5%だった財政赤字のGDP比を2012年に3%以内に抑えることを目標に掲げている。(1RON=28.06JPY)

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