2011/10/5

ポーランド

ポーランド下院選挙、「法と正義」が市民プラットホームを追い上げ

この記事の要約

9日に下院選挙を控え、カチンスキー元首相率いる第2党・法と正義(PiS)が、トゥスク首相の与党・市民プラットホーム(PO)を追い上げている。調査機関や政党の調べによると、両党の支持率の差は最大5%で、調査によっては全く同 […]

9日に下院選挙を控え、カチンスキー元首相率いる第2党・法と正義(PiS)が、トゥスク首相の与党・市民プラットホーム(PO)を追い上げている。調査機関や政党の調べによると、両党の支持率の差は最大5%で、調査によっては全く同じという結果も出ている。選挙後の情勢を占うのが難しくなってきた。

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先週は、(1)カチンスキー氏の新著『The Poland of our Dreams』(2)ロストフスキ財務相とナピエラルスキ民主左翼連合(SLD)党首の公的財務をめぐる議論(3)突飛な言動で知られるパリコト前下院議員が率いる政党「パリコト運動(RP)」が議席獲得に必要な5%の得票を獲得する見通し――といったニュースが大きく取り上げられた。POがSLDと選挙後に連立を組むとの観測が浮上したが、(2)の議論の後、ロストフスキ財務相はその可能性を否定した。

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トゥスク氏についての世論調査の結果は良好で、65%が「好感が持てる」、62%が「頭がいい」、45%が「有能」とみていることが分かった。一方のカチンスキー氏は「好感が持てる」が30%、「頭がいい」は47%、「有能」は38%と遅れをとっている。

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カチンスキー氏は新著で「トゥスク氏は『一番大事なのは女の子で、政治じゃない』と私に明かした」と記すなど、ポーランド大物政治家との関係の悪さを披露している。報道テレビ局TVN24に対しては、真面目に話さない相手とは交渉しないとして、トゥスク氏と選挙前には一切議論しない姿勢を示した。また、連立与党の農民党(PSL)と組む可能性をたずねられ、「世界は複雑、歴史は思いもかけない展開を見せる」とコメントした。

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