中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/10/19

チェコ・スロバキア

国外事業の拡大継続を表明=チェコ電力大手CEZ

この記事の要約

積極的に国外事業を展開する経営方針がメディアや政界から批判を浴びているチェコ電力最大手CEZは、今後も再生可能エネルギー分野を中心に、国外での投資を拡大する方針だ。ベネシュ社長が11日、記者会見で明らかにした。\ CEZ […]

積極的に国外事業を展開する経営方針がメディアや政界から批判を浴びているチェコ電力最大手CEZは、今後も再生可能エネルギー分野を中心に、国外での投資を拡大する方針だ。ベネシュ社長が11日、記者会見で明らかにした。

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CEZは中欧やバルカンで買収を通じて事業を拡大してきた。ネチャス首相は先ごろ、CEZが盛んに国外で買収を行う背景には、ストックオプションのために株価を吊り上げるという経営幹部の狙いがあると指摘。先月半ばのロマン前社長の退陣を機に、こうした経営方針とは決別し、テメリン原子力発電所の建設プロジェクトなど国内事業に専念すべきであるとの見解を示した。

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こうした批判に対しベネシュ社長は、既に進出している8カ国以外に新たに進出する計画はないと述べ、既進出の国で事業を強化していく考えを強調。ポーランド、ルーマニア、ドイツで風力発電と水力発電、スロバキアとハンガリーでは太陽光発電のプロジェクトを推進し、2016年までに再生可能エネルギーによる発電容量を3,000メガワット追加する計画を表明した。

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また、傘下の配電会社が電力の盗難によって大きな損失を被り、CEZが批判を受けるきっかけとなったブルガリアとアルバニアの事業では、盗難対策の強化により状況が改善したことを明らかにした。アルバニアでは2008年に盗難にあった電力の割合が全体50%に達していたが、今年は27.9%に改善。ブルガリアでも2005年の17.1%から今年は13.6%に低下したという。

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