2011/12/7

ハンガリー

ハンガリーが利上げ、政策金利6.5%に

この記事の要約

ハンガリー中央銀行(NBH)は11月29日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、6.5%にすると発表した。財政とインフレに対する不安感を背景に下落を続ける通貨フォリントを支えるのが狙いで、予想通りの利上げとなった。\ ハン […]

ハンガリー中央銀行(NBH)は11月29日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、6.5%にすると発表した。財政とインフレに対する不安感を背景に下落を続ける通貨フォリントを支えるのが狙いで、予想通りの利上げとなった。

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ハンガリーの利上げは今年1月以来。経済回復の遅れとフォリント安のリスクを勘案しながら慎重な判断を続けてきた中銀だが、24日に米格付け大手のムーディーズがハンガリーの信用格付けを投機的水準である「Ba1」に引き下げたことで状況が緊迫化し、利上げに踏み切った。ただ、利上げ後もフォリントの下落は止まらず、市場ではさらなる利上げが必要とみている。

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欧州債務危機の長期化で、中東欧など経済が比較的弱い国々に危機が飛び火する懸念が強まっている。欧州政府の資金調達コストは上昇し、29日に発行されたハンガリーの90日物国債の平均落札利回りは7.32%に上った。

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オルバン首相は先月18日、従来の方針を修正し、国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)に資金援助を要請した。格付け大手のスタンダード&プアーズが同14日にハンガリーの格下げを検討している事実が明らかになり、フォリントが急激に値を下げたことを受けたものだ。

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経済政策の決定権を手放さない方向で交渉するとしていたが、ムーディーズによる格下げで状況が緊迫化していることから、マトルチ経済相は、具体的な財政措置の実行を約束する形での借り入れもありうると態度を軟化させている。

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ハンガリーは外貨建て債務の返済に向けて多額の資金を必要としている。来年の外貨建て債務の償還額は今年を48%上回る1兆3,700億フォリント(59億米ドル)、2013年には1兆4,800億フォリントとなり、14年には1兆6,500億フォリントのピークを迎える。

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今年の財政赤字は10月末までに通期目標の193%にも上っており、見通しは厳しくなっている。このため、中銀はなるべく早くIMFおよびEUとの合意が必要とコメントしている。

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