2012/3/7

CIS諸国

EU加盟国、在ベラルーシ大使を一斉召還

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟国は28日、ベラルーシに駐在する自国の大使を本国に召還すると同時に、各国に駐在するベラルーシ大使を召喚することで合意した。野党弾圧を強めるルカシェンコ政権の関係者に対するEUの制裁措置に対して、ベラル […]

欧州連合(EU)加盟国は28日、ベラルーシに駐在する自国の大使を本国に召還すると同時に、各国に駐在するベラルーシ大使を召喚することで合意した。野党弾圧を強めるルカシェンコ政権の関係者に対するEUの制裁措置に対して、ベラルーシが在ミンスクのポーランド大使及びEU代表部大使に国外退去を通告したことを受けたもの。アシュトン外交安保上級代表(EU外相)は、加盟国の足並みをそろえることで一致団結した姿勢を示す狙いと説明しているが、ベラルーシとEUの対立がエスカレートすることが懸念されている。

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EUは28日、ルカシェンコ大統領による野党弾圧が続くベラルーシへの制裁措置として、新たに裁判官と警察官21人に対して域内資産を凍結し、EUへの渡航を禁止した。これにより、制裁の対象とされる政府関係者は200人以上となった。政府に近い3企業の口座も凍結された。

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ベラルーシ政府はこれを受けて、ポーランド大使及びEU代表部大使に国外退去を通告すると同時に、ポーランドとブリュッセルに駐在する自国大使を召還。この措置がEUの今回の決定を引き起こした。

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ベラルーシ政府側はEUの大使召還に対して、ベラルーシに威嚇は通じないと発表。EUの選択肢は「緊迫する外交関係をさらに悪化させる」もので、袋小路に終わるとコメントした。一方で、召還された大使の説明で「ベラルーシに圧力をかけても何も生まれない」事実を本国政府が理解すれば、将来の建設的な外交的対話につながるかもしれない、と評価を相対化した。

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ベラルーシの反体制活動家らは、EU外交官の召還でロシアによる同国への影響が増すと懸念する。また、2014年のアイスホッケー世界選手権の開催地がベラルーシから他国に変更される可能性を指摘する声もあがっている。

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EUはベラルーシに対する兵器・抑圧手段の輸出も禁じている。

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総合・マクロ
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