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2010/3/31

経済産業情報

音楽見本市、ほぼ前年並みを確保

この記事の要約

国際楽器見本市(Musikmesse)と音響・舞台照明見本市(Prolight+Sound)が24~27日の4日間、フランクフルトで開催された。景気悪化で音楽業界を取り巻く環境は厳しさを増しているが、両見本市の合計出展者 […]

国際楽器見本市(Musikmesse)と音響・舞台照明見本市(Prolight+Sound)が24~27日の4日間、フランクフルトで開催された。景気悪化で音楽業界を取り巻く環境は厳しさを増しているが、両見本市の合計出展者数は前年を44社下回る2,340社、来場者は同2,500人減の11万人と、わずかな減少にとどまった。フランクフルト見本市のデトレフ・ブラウン事務局長は「出展者・来場者数とも当初の見通しを上回った」と発言、厳しい状況のなかで健闘したと満足の意を示した。

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今年の楽器見本市では欧州ピアノメーカーの製品を一堂に集めた「Piano Salon Europe」が2年ぶりに復活。Steingraeber & SoehneやGrotrian-Steinweg、Wilhelm Schimmelなどドイツメーカーを中心に20社が展示を行った。Grotrian-Steinwegのブルクハルト・シュタイン社長は「見本市参加の目的は我々の製品を知ってもらい、新たな顧客やディーラーを獲得することだ。サロンには多くのディーラーが来てくれたほか、ビジターの質も大変に高かった」と述べ、高い評価を下した。

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世界的な景気低迷の影響を受け、音楽市場は苦境が続いている。フランクフルト見本市のブラウン事務局長によると、世界の楽器メーカーの2009年売上高は前年の4分の3の水準に急減した。世界売上の約半分を占める米国で需要が大きく落ち込んだためで、独メーカーの米向け輸出は30%減少した。

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同年の国内売上は4%の小幅減少にとどまったものの、競争激化による価格圧力や、低価格を売り物とする中国メーカーの台頭など市場環境は厳しさを増している。独音楽業界団体のBVMIが24日発表した統計によると、独業界の09年売上高は2.1%減の18億300万ユーロに縮小した。

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