欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/6/16

経済産業情報

独ソフト会社、著作権侵害でサムスンを提訴

この記事の要約

業務用プリンターの出力を最適化する制御ソフトの著作権が侵害されたとして、ソフトを開発した独CCP Systems AG(シュツットガルト、社員20名)が韓国のサムスン電子をミュンヘン地方裁判所に提訴した。サムスンが製造す […]

業務用プリンターの出力を最適化する制御ソフトの著作権が侵害されたとして、ソフトを開発した独CCP Systems AG(シュツットガルト、社員20名)が韓国のサムスン電子をミュンヘン地方裁判所に提訴した。サムスンが製造する業務用プリンターの多くに当該技術が搭載されていながら相応のライセンス料が支払われていないと批判している。独経済紙『ハンデルスブラット』などが報じた。

\

係争の対象となっているCCPのソフトはプリント出力用ミドルウエア「JScribe」だ。『ChannelPartner』誌(オンライン版)によると、最初に同ソフトのライセンスを取得したのは米IBMで、サムスンはIBMからのサブライセンスの形で供与を受けた。ところが、サムスンが当該ソフトを自社のウェブサイトで公開し、無償でダウンロードできるようにしていたことが発覚。同サイトを通して著作権料の支払いなしにソフトがインストールされた機器は推定で数百万台に上る。

\

JScribeがサムスンのサイトで無償公開されていることを知ったCCPは、著作権料の支払いを求める訴訟を米国で起こすとともに、米ニュージャージー地方裁判所にソフトの無償提供の中止とリンク先の消去を求める仮処分を申請。申請は認められ、サムスン側は仮処分を受け入れたが、CCPによるとサムスンはソフトがダウンロードできるサイトのアドレスをいまだに顧客に送付しているという。このため、業を煮やしたCCPがドイツでも提訴に踏み切った。

\