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2010/6/16

企業情報

Siemens AG―最新ガスタービンを初受注、出力を短時間で調整―

この記事の要約

電機大手のSiemens(ミュンヘン)は14日、同社の最新式ガスタービン「Hクラス」を初受注したと発表した。同タービンは熱効率が60%超と高く環境・エネルギー性能に優れているほか、出力を短時間で調整できるのが特徴。太陽光 […]

電機大手のSiemens(ミュンヘン)は14日、同社の最新式ガスタービン「Hクラス」を初受注したと発表した。同タービンは熱効率が60%超と高く環境・エネルギー性能に優れているほか、出力を短時間で調整できるのが特徴。太陽光の強度や風力に発電量が大きく左右される再生可能電力が普及するにつれて、火力発電所などのベースロード発電施設はその変動を吸収する役割を強く求められるようになっており、Hクラスはこうしたニーズに応える製品と期待されている。

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SiemensはHクラス計6基を米電力大手のFlorida Power & Lightに納入する。取引金額は5億ドル。タービンはフロリダ州のリビエラ・ビートとケープ・カナベラルに設置され、2013年から運転を開始する。燃料消費量と二酸化炭素(CO2)排出量は既存のコンバインド・サイクル発電施設を3分の1下回り、Florida Power & Lightは6基の稼働期間を通してコストを8億5,000万~9億9,5000万ドル節約できるという。

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スタンバイ状態から稼働を始めるまでの時間は5分で、フル稼働には15分で到達する。フル稼働から出力50%に落とす時間も数分で足りるという。米国ではオバマ政権が風力・太陽光発電の普及拡大に力を入れており、Hクラスのようなタービンの需要は今後、拡大する見通し。Siemensは米国の石炭発電所の3分の1が今後10年以内に最新のガス発電所に切り替えられると予想している。

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Hクラスの開発には約10年をかけており、同社は世界販売数を中期的に年10基以上に引き上げると意欲をみせている。

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