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2010/6/16

経済産業情報

太陽熱設備メーカー、助成の一部凍結で苦境に

この記事の要約

太陽熱を利用する暖房や給湯設備の製造業者が政府の助成凍結措置を受け苦境に立たされている。独ソーラー業界連盟(BSW)によると、5月だけでも太陽熱設備業界の需要は約3分の1減少したという。一方、太陽光発電(PV)設備業界は […]

太陽熱を利用する暖房や給湯設備の製造業者が政府の助成凍結措置を受け苦境に立たされている。独ソーラー業界連盟(BSW)によると、5月だけでも太陽熱設備業界の需要は約3分の1減少したという。一方、太陽光発電(PV)設備業界は、ソーラー電力向け助成額の今夏削減を前に駆け込み需要で活気づいており、同じ太陽エネルギーを利用する両業界で明暗が分かれた格好だ。12日付『フランクフルターアルゲマイネ』紙が報じた。

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連邦財務省は当初、太陽熱やペレット・ヒートポンプ式暖房、小型コジェネ(熱電併給)システムなどの導入支援に今年だけで計4億6,800万ユーロを充てる計画だったが、金融・経済危機で財政がひっ迫していることを受け、このうち世帯向けの助成プログラム予算1億1,500万ユーロを凍結した。

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同プログラムは、太陽熱などを利用する暖房や給湯設備を新設する一般家庭に投資金額の10%を助成するというもので、2000年~09年に合わせて約10億ユーロを支給した。連邦経済・輸出管理局(BAFA)によると、昨年の助成規模は約2億1,000万ユーロで、15億6,000万ユーロの投資効果があったという。BSWのケルニヒ事務局長は、助成がゼロになれば設備を導入する家庭は激減するとして、太陽熱暖房市場の大幅縮小に懸念を示した。

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一方、国内外のPV市場は景気回復を背景に、需要が大幅に増加しており、BSWは今年の市場成長率を少なくとも50%と見込んでいる。

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