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2010/7/28

経済産業情報

政府主導の「De-Mail」でセキュリティ問題が浮上

この記事の要約

法的拘束力を持つ安全性の高い電子メールの実現に向け政府が導入予定の「De-Mail」でセキュリティ上の懸念が浮上している。IT専門家の間からはメール傍受のリスクを排除できないとして、今秋に予定されているDe-Mail法の […]

法的拘束力を持つ安全性の高い電子メールの実現に向け政府が導入予定の「De-Mail」でセキュリティ上の懸念が浮上している。IT専門家の間からはメール傍受のリスクを排除できないとして、今秋に予定されているDe-Mail法の成立に反対する声が上がっている。独日刊紙『フランクフルター・ルントシャウ』が21日報じた。

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問題が指摘されているのは、暗号化されたメールが差出人から受取人に届くまでに一瞬だか解除されるという点だ。差出人からサーバーまでは暗号化されていて安全だが、技術的理由からサーバー上で暗号がいったん解除され、再暗号化されるため、サーバーへの侵入に成功したハッカーが暗号解除されたメールをコピーしたり操作することは理論的に可能だという。

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連邦弁護士会(BRAK)のIT問題担当者ラープ弁護士は同紙に対し、「De-Mailサービスのセキュリティ強度には大いに疑問がある」と述べ、De-Mailに法的拘束力を与えることに反対の立場を示した。連邦データ保護受託官のペーター・シャール氏は、差出人から受取人の間(エンドツーエンド)の安全性が不十分なことをDe-Meil法に明記すべきだと主張する。

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一方、独情報通信業界連盟(Bitkom)は「暗号解除は一瞬に過ぎない」「国際的な安全基準を満たしている」などと反論。De- Mailのセキュリティは従来のEメールや書留、手紙に比べてケタ違いに高いと強調した。

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