スイスの製薬大手Roche(バーゼル)が22日発表した2010年1-6月期決算の純利益は前年同期比37%増の55億6,500万スイスフランと大幅に拡大した。2009年に完全子会社化した米Genentechの統合コストが低下したほか、同子会社統合のシナジー効果が現れたことが大きい。営業利益(特別項目を除く)は87億5,600万フランで、10%増加した。
\売上高は3%増の246億3,600フランと、利益に比べ成長率が鈍かった。新型インフルエンザがパンデミーに発展する恐れが遠のいたことを受け、抗インフルエンザ薬「Tamflu」の需要が世界的に激減したことが響いた。医薬品部門売上の約半分を占めるがん治療薬では増収率が9%に達している。
\ただ、稼ぎ頭の抗がん剤「Avastin」に対し米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が20日、乳がん治療での承認取り消しを勧告したことは大きな痛手となりそうだ。FDAがこの勧告を受け入れ同薬の仮承認を取り消すと、Rocheの売上高は最大10億フラン減少する見通しという。
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