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2012/6/27

経済産業情報

CATVへの放送委託料、公共放送が支払い打ち切りへ

この記事の要約

独公共放送ARDとZDFは25日、ケーブルテレビ(CATV)運営会社に対する放送委託料金の支払いを今年末で打ち切ると発表した。ケーブル放送を取り巻く環境が変わったため、料金を払い続ける義務はなくなったとしている。CATV […]

独公共放送ARDとZDFは25日、ケーブルテレビ(CATV)運営会社に対する放送委託料金の支払いを今年末で打ち切ると発表した。ケーブル放送を取り巻く環境が変わったため、料金を払い続ける義務はなくなったとしている。CATVでテレビを受信する世帯では来年1月から公共放送の視聴に支障が出る恐れが出てきた。

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公共放送はこれまで、ケーブルテレビ会社に対し年に計6,000万ユーロの放送委託料金を支払ってきた。来年1月からは支払わない意向を数カ月前から表明しており、このたびケーブルテレビ3社に対し契約解除を正式に通告した。

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公共放送の関係者は同措置の理由について、放送委託料金は旧郵政・通信公社ブンデスポストのCATVインフラ整備費用を賄う目的で支払ってきたものだと指摘。国内のケーブルテレビ会社がすべて投資会社の傘下に入っている現在、払い続けるのは適切でないとの立場を示した。

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ケーブルテレビ会社は法律の規定(マスト・キャリー規定)により、各州のメディア規制当局が指定した公共放送と民放の主要番組を放送することを義務づけられている。このため、ARDのニュース番組「Tagesschau」などは来年以降もケーブルテレビで放映されるものの、当局から指定されていない番組は放映されなくなる恐れがある。

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公共放送とケーブルテレビ会社は今後、放送委託料金問題を協議する。協議の結果次第では、民放各社も放送委託料金の支払いを停止する可能性がある。

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