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2013/7/3

経済産業情報

ソーラー発電の余剰電力を蓄電、住宅電力需要の7割自給も

この記事の要約

バイエルン州南部ヴィルトポルツリートの中堅企業Prosol Investが開発・製造する家庭用太陽光発電蓄電システム「Sonnenbatterie」がソーラー業界に小さな革命を巻き起こしている。発電システムと連係して使う […]

バイエルン州南部ヴィルトポルツリートの中堅企業Prosol Investが開発・製造する家庭用太陽光発電蓄電システム「Sonnenbatterie」がソーラー業界に小さな革命を巻き起こしている。発電システムと連係して使うと、家庭電力需要の6~7割を賄えるためだ。6月24日付『ハンデルスブラット』が報じた。

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Prosolのソーラー蓄電システムは太陽光発電の余剰電力を大容量リチウムイオン電池に蓄電し、発電できない夜間や悪天候時に使用するというもので、すでに独電力大手RWEや京セラを通して市販されている。2012年の販売台数は800台を超えた。同社は6月17日、太陽電池モジュールメーカーSolarwattを新たなシステム納入先として獲得するなど、引き合いも高く、オスターマン社長は今年、前年比3倍の販売台数を見込む。

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高い成長が期待できる市場として他社も関心を高めており、新規参入した独IBC Solar(太陽電池システムサプライヤー大手)は昨年、蓄電システム400基を販売した。

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ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると、ソーラー蓄電システムは普及の端緒についたばかりで、国内の市場規模は数百万ユーロ程度に過ぎない。ただ、今後は市場が急速に拡大し、数年内に数億ユーロ規模に達する可能性が高い。

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蓄電システムは高価なことがネックとなっており、BCGの関係者によると、リチウムイオン電池と制御システムだけでも容量1キロワット時当たり2,000ユーロのコストがかかる。しかし、今後普及が進めば数年以内に1,500ユーロ以下に低下する見通しだ。連邦政府と独復興金融公庫(KfW)はソーラー蓄電システム設置を支援するプログラムを開始しており、関係者は普及に弾みがつくと期待を寄せる。

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