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2014/4/9

企業情報

Eon SE―スペイン事業から撤退か―

この記事の要約

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)がスペイン事業を売却するもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が報じたもので、すでにCitibankに売却候補先の模索を委託したという。Eonの広報担当者は問い合わせに対し「 […]

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)がスペイン事業を売却するもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が報じたもので、すでにCitibankに売却候補先の模索を委託したという。Eonの広報担当者は問い合わせに対し「ポートフォリオの戦略的なオプションは常に検討している」と述べるにとどめ、スペイン事業から撤退するかどうかを明らかにしなかった。

同社のスペインでの発電能力は在来型発電所で計3.2ギガワット、再生可能エネルギー発電施設で計1.1ギガワット。顧客数は68万8,000世帯で、同国の全世帯(1,700万世帯強)のごく一部にとどまる。従業員数は約1,200人。スペイン事業の時価は推定8億~12億ユーロに上る。

Eonは2008年、Endesaを買収しようとしたが抵抗を受けて失敗。その代わりとして、EndesaおよびEndesaの援軍に入った伊Enelから南欧事業の一部を計120億ユーロで譲り受けた。

南欧事業は財政・経済危機を受けて低迷し、巨額の評価損を計上している。このため、イタリア事業についても売却するとの観測が昨年11月に浮上した。Eonは320億ユーロの債務を抱えており、事業整理で財務の健全化を図る意向だ。