Deutsche Telekom(ボン)のティム・ヘットゲス社長は15日の株主総会で、米移動通信サービス子会社T-Mobile USから撤退するかどうかは現地の独禁当局の姿勢にかかっているとの立場を明らかにした。T-Mobile USに対しては現地競合のSprint(ソフトバンク子会社)が買収を狙っているとの観測があり、Deutsche Telekomは条件が整えば放出するもようだ。
同社は2011年、経営が不振だった米移動通信子会社T-Mobile USA(現T-Mobile US)を米市場トップのAT&Tに売却することを取り決めた。だが、独禁当局が強い難色を示しとん挫したため、T-Mobile USAを米同業のMetro PCSと合併させたうえで、新会社T-Mobile USを昨年5月に設立。価格攻勢と通信網の拡充、周波数帯の獲得を通して顧客数を急速に伸ばしている。
これを受けT-Mobile USの株価は上昇が続いており、Deutsche Telekomが保有する株式67%の時価は1年前の倍の170億ドルに拡大した。