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2014/5/21

経済産業情報

揚水発電の新コンセプト考案、二重の巨大水槽使い平地でも水流確保

この記事の要約

再生可能エネルギー発電の需給調整役(蓄電池)として関心を集めている揚水発電を平地に設置する新たなコンセプトを、開発・コンサルティング会社のゲールノート・クロス(ボーフム)が考案した。揚水発電は高低差を利用した発電法であり […]

再生可能エネルギー発電の需給調整役(蓄電池)として関心を集めている揚水発電を平地に設置する新たなコンセプトを、開発・コンサルティング会社のゲールノート・クロス(ボーフム)が考案した。揚水発電は高低差を利用した発電法であり、設置できる場所が山間部などに限られていたが、新たなコンセプトは基本的に場所を問わないため、エネルギー供給の安定化に貢献すると期待されている。経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ(オンライン版)』が報じた。

ゲールノート・クロスが考案したコンセプトは、コンクリート製の巨大水槽(直径200メートル、深さ50メートル)の内側に一回り小さい水槽を浮かべるというもの。内側の水槽の端に排水ポンプ、中央に取水弁つきの水力発電タワーが設置されている。内側の水槽には防水処理が施されており、取水弁を開かない限り外側の水槽から水が流れ込まない。

発電の仕組みは(1)内側の水槽に貯められた水を余剰電力を用いてポンプで外側の水槽に送り出す。内側の水槽は軽くなった分浮き上がる(2)発電が必要な時に内側水槽の底の弁を開き、同水槽と水の重みによる圧力で同水槽に流れ込んだ水の力を利用しタービンを回す(3)発電が不要になったら、弁を閉めて水の流入をストップする ――というものだ。小さな穴の開いたたらいを湯船に押し付けたときに、穴から水が入ってくるというイメージを思い浮かべると分かりやすい。