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2015/2/11

経済産業情報

ドイツの核燃料税はEU法に合致=欧州司法裁法務官

この記事の要約

欧州連合(EU)欧州司法裁判所(ECJ)の法務官は3日、ドイツの核燃料税はEU法に抵触しないとの判断を示した。法務官見解に法的拘束力はないものの、ECJは通常、同見解に沿った判決を下すことから、ドイツの原発事業者がすでに […]

欧州連合(EU)欧州司法裁判所(ECJ)の法務官は3日、ドイツの核燃料税はEU法に抵触しないとの判断を示した。法務官見解に法的拘束力はないものの、ECJは通常、同見解に沿った判決を下すことから、ドイツの原発事業者がすでに支払った同税が還付される可能性はこれまでよりも低下したことになる。

核燃料税は2011年に導入された。16年までの6年間、毎年23億ユーロ徴収し、財政再建と老朽化したアッセ核廃棄物貯蔵施設の整備に投入されることになっている。

同税は原子力発電所の稼働期間を延長する見返りとして導入された。だが、ドイツ政府は2011年の福島原発事故を受けて原発の稼働延長を撤回。このため国内で原発を運営する電力大手4社は、稼働延長措置を受けられなくなった。それにもかかわらず政府は核燃料税を徴収していることから、これを阻止するとともに、すでに納入した同税の返還を求めて裁判を起こした。

電力大手RWEとエーオンが共同運営するエムスラント原発をめぐる訴訟を取り扱うハンブルク財政裁判所は、核燃料税がEU法に違反している可能性があると判断。ECJの判断を仰いだ。

今回の法務官見解はこれを受けたもの。法務官は見解のなかで、原発だけに課される核燃料税は他の発電に対する不当な国家助成に当たるなどとするハンブルク財政裁の懸念を退けた。

同財政裁はまた、核燃料税がドイツ基本法(憲法)に抵触している疑いがあるとして、同国の連邦憲法裁判所の判断も仰いでいる。同憲法裁は現在、違憲審査を行っており、年内に判決を下すとみられている。

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