欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/12

EUその他

日本などから豚輸入禁止は見送り、血液成分の輸入には新規制

この記事の要約

EUは6日、加盟国の専門家による会議を開いて北米やアジアで広がっている豚流行性下痢(PED)への対応策について協議し、米国や日本などからの生きた豚の輸入禁止措置を見送る一方、家畜飼料の原料となる豚の血液成分の輸入規制を強 […]

EUは6日、加盟国の専門家による会議を開いて北米やアジアで広がっている豚流行性下痢(PED)への対応策について協議し、米国や日本などからの生きた豚の輸入禁止措置を見送る一方、家畜飼料の原料となる豚の血液成分の輸入規制を強化することで合意した。EUでは動物の輸入に関する厳格なルールが運用されており、生きた豚については当面、既存ルールで対応が可能と判断した。

PED対策をめぐっては、フランス政府が今月初め、米国、カナダ、メキシコ、日本からの生きた豚や豚肉入り飼料の輸入を禁止する方針を打ち出し、欧州委員会に対してEU全体で規制を強化するよう求めていた。欧州委は今回の決定について、当面は北米からEUに生きた豚が輸入されることがない点に触れ、当面は現行ルールで対応が可能と指摘。一方、家畜飼料に使用される豚の血粉や血しょうに関しては、80度で処理した後、常温で6週間保存してしたPEDウイルスを完全に不活性化したものに限り、域内への輸入を認める新ルールが導入される。欧州委は6月初旬に再び専門家会議を開き、最新の動向を踏まえて改めて対応を協議すると説明している。

フランスは専門家会議の決定を受け、米国や日本などからの生きた豚の輸入禁止を見送る方針を示している。食料・農業・水産省は声明で「フランスおよびEU内にPEDが持ち込まれる事態を防ぐため、あらゆる措置を講じる必要がある」と指摘。同省報道官はそのうえで、フランス単独で禁輸に踏み切ることはしないと明言した。