2010/6/23

バルト三国

リトアニア、ユーロ導入目標を2014年に

この記事の要約

リトアニアのクビリウス首相は22日、ブルームバーグとのインタビューで、欧州単一通貨ユーロ導入を「非常に明確な戦略目標」と述べ、2014年の導入を目指していると明言した。同国の昨年の財政赤字は国内総生産(GDP)比9.5% […]

リトアニアのクビリウス首相は22日、ブルームバーグとのインタビューで、欧州単一通貨ユーロ導入を「非常に明確な戦略目標」と述べ、2014年の導入を目指していると明言した。同国の昨年の財政赤字は国内総生産(GDP)比9.5%と、ユーロ導入基準をはるかに上回るが、「歳出削減を進め、2012年までに財政赤字を(導入基準である)GDP比3%以内に抑制できる」と自信を見せた。

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ユーロ導入には、財政赤字、債務残高、インフレ率、長期金利、法整備の各項目で基準を満たす必要があり、リトアニアは現時点で財政赤字以外のすべてで基準を達成。欧州委はリトアニアの今年の財政赤字をGDP比9.2%と、依然高止まりすると予測している。

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だが、クビリウス首相は、歳出削減と増税により昨年でGDPの9%分、今年で同5%分の財政赤字を圧縮するとして、財政健全化が進んでいることを強調。また輸出主導による景気回復が予想以上に早く、財政状況の好転が望めることも示唆した。通貨リタスはユーロに為替レートを固定しているためユーロ安の恩恵を受けており、4月の輸出高は前年同月比36%拡大。同国経済省は先に、4-6月期にもGDPがプラス成長を回復するとの見通しを明らかにした。

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中東欧諸国のユーロ導入をめぐっては、スロベニア、スロバキアに続き、エストニアの来年導入が決定的。一方、ギリシャの財政問題に端を発した金融不安でユーロの信用は揺らいでおり、チェコ、ポーランドなど導入に慎重な姿勢を見せる国も少なくない。これについてクビリウス首相は「欧州には、より協調した財政、経済政策が必要」としつつ、「リトアニアは欧州とユーロを信用している」と語り、ユーロ既導入国による危機対策に期待感を示した。

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