2010/6/23

ポーランド

ポーランド大統領選は決選投票へ

この記事の要約

ポーランドで20日、大統領選挙の投開票が行われた。開票率94.3%の時点で与党「市民プラットフォーム(PO)」のコモロフスキ下院議長が41%の得票率を獲得し、首位に立っている。ただ、当選に必要な50%には届かず、2位につ […]

ポーランドで20日、大統領選挙の投開票が行われた。開票率94.3%の時点で与党「市民プラットフォーム(PO)」のコモロフスキ下院議長が41%の得票率を獲得し、首位に立っている。ただ、当選に必要な50%には届かず、2位につける最大野党「法と正義(PiS)」のカチンスキ党首との決選投票(7月4日に予定)にもつれこむことになった。

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ポーランド中央選管によると、投票率は41.57%。コモロフスキ下院議長とカチンスキ党首の得票率の差は4.5%と、選挙前に各社が実施した世論調査結果に比べてはるかに僅差。3位には得票率13.7%だった野党「民主左翼連合(SLD)」のナピエラルスキ党首が入った。

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コモロフスキ氏は、カチンスキ大統領が4月に航空機墜落事故で死去して以降、大統領代行を兼務。欧州共通通貨ユーロの導入に向けた具体的スケジュールを策定することや、歳出のうちの任意支出増加額をインフレ率プラス1%以内に削減し、財政健全化を図るなどの政策を打ち出していた。一方、カチンスキ氏は双子の弟であるカチンスキ大統領の路線を受け継ぎ、ユーロの早期導入反対と経済対策のため歳出拡大を主張。ギリシャの財政問題に端を発した金融不安でユーロに対する信頼が揺らいでいるほか、投票率が低く固定票を抱えるPiSに有利に働いた結果、カチンスキ候補の得票率が上積みされたようだ。

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世論調査機関CSOBが選挙前に実施した調べによると、3位に入ったナピエラルスキ氏の支持者のうち3分の2が、決選投票でコモロフスキ氏対カチンスキ氏となった場合はコモロフスキ氏を選ぶと回答しており、コモロフスキ氏が優位とみられる。ただ、前回の大統領選では1回目の投票で首位だったPOのトゥスク現首相が、決選投票でカチンスキ大統領に逆転されて敗北した経緯があり、先行きは不透明といえる。カチンスキ候補の主張は政府の政策と正反対なだけに、「カチンスキ氏が当選すれば、政府の障害となりうる」(RBCキャピタルの新興市場担当ストラテジスト、Rendell氏)と懸念する声も聞かれている。

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