ポーランドのロストフスキ財務相は16日、同国が国際通貨基金(IMF)に信用枠の供与期間を延長するよう申し入れたことを明らかにした。一方で同財務相は、ポーランドの経済状況は安定しているとして、実際に信用枠から資金を引き出す可能性は低いと強調した。
\IMFは昨年5月、ポーランドに新興国向けの融資制度「弾力的信用枠(FCL)」から約200億米ドルを供与することを決定した。FCLは先月5日に供与期限を迎えたが、期限延長を望む政府と、経済状態が良好であることを理由に延長は不要とする中央銀行の意見が対立していた。しかし、航空機墜落事故で死亡したスクジペク中銀総裁の後任として11日に就任したベルカ新総裁は、政府の方針に支持を表明、FCL延長に同意し、政府と中銀の足並みが揃った。ベルカ総裁は2004~05年に首相を務め、08年にはIMFの欧州局長を就任していた。
\ロストフスキ財務相は、FCLは欧州で財政危機問題が広がっている中、ポーランドに対する信頼を強化するための保険のようなものだと説明。FCLから資金を引き出す可能性について、「通貨ズロチが暴落するといった事態になればありうるが、そうした事態に陥る確率は低いだろう」と述べた。
\IMFはポーランドの申請を受け、7月初めに開催する理事会で延長を正式決定する。
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