2011/1/12

ロシア

ロシア初ハイブリッド車、モスクワで一般公開=年間1万台の量産目指す

この記事の要約

ロシア初のハイブリッド車「ヨー・モビーリ(Ë-мобиль、英表記:Yo-mobile)」が、2~12日にかけてモスクワ中心部に設置されたパビリオンで一般公開された。開発企業ヨー・アフトが公式ブログで発表した。\ 「ヨー […]

ロシア初のハイブリッド車「ヨー・モビーリ(Ë-мобиль、英表記:Yo-mobile)」が、2~12日にかけてモスクワ中心部に設置されたパビリオンで一般公開された。開発企業ヨー・アフトが公式ブログで発表した。

\

「ヨー・モビーリ」はロータリーエンジンと電気モーター各1基を搭載する。燃料タンクに入った液化天然ガスとガソリンがロータリーエンジンを駆動し発電する仕組みだ。同電力で電気モーターを直接動かすこともできるが、装備されたスーパーキャパシタに少量の電力を充電することもできる。小型ライトバン、クロスクーペ、小型トラックの3タイプがある。

\

走行100km当たりの燃費は3.5リットルで、トヨタ「プリウス」の5.5リットルを上回る。小型エンジンの搭載や軽量化が寄与している。最高速度は時速130km。航続距離は天然ガスとガソリンの両タンクが満タンの状態で約1,100kmを確保した。

\

「ヨー」を開発したヨー・アフトはロシア第2位の富豪ミハイル・プロホロフ氏が保有するホールディング会社とサンクトペテルブルクの商用車メーカーYarovitによる合弁会社。同社は年内にサンクトペテルブルク近郊の新工場で年間1万台の量産体制を開始する計画で、プロホロフ氏が1億5,000万ユーロを投じる。部品はロシアと旧ソ連諸国から調達する方針。2012年中頃にロシア市場で販売を開始する予定で、価格は約1万4,500ドルになる見通しだ。欧州市場での販売も視野に入れている。

\

現在、世界の自動車メーカーの潮流は電気自動車(EV)に移行しつつあるが、ヨー・アフトのアレクサンドル・シンケービッチ技術部長は、「現在でさえ世界の電力供給は需要に追い付いていないのに、全ての車両がEVに置き換わってしまったら、世界の電力消費は現在の4倍に跳ね上がる。」と、敢えてハイブリッド車を開発した意図を説明。「自動車の将来はハイブリッド車にある」と自信を見せた。さらに、EVより燃料充填が速いことや、燃費が良いことなどを挙げ、天然ガスを利用することの利点をアピールした。

\

なお、プロホロフ氏によると、ロシア製であることを強調するために、ブランド名にロシア語(キリル文字)のアルファベット「Ë(ヨー)」を用いたという

\