チェコ財務省は3日、2000年に経営破たんしたインベスティーチニ・ポストヴニ銀行(IPB)への投資を巡る野村ホールディングスとの紛争から和解に至る経緯に関する文書を公開した。
\野村は1998年に蘭投資子会社を通じて投資郵便銀行インベスティーチニ・ポストヴニ銀行(IPB)の株式46.16%を取得した。IPBは2000年に経営が破たんし、政府の管理下に置かれた直後にベルギーKBC傘下のチェスコベンスカ・オブホドニ銀行(CSOB)にわずか1コルナで売却された。この際に政府がIPBの不良債権・資産2,000億コルナ相当を引き受ける形で支援を実施。野村は、政府がIPBの破たんを防ぐ方策を講じなかった一方で、CSOBに支援を実施したのは差別であり、これにより損害を被ったと主張。政府に対し400億コルナにのぼる賠償請求をロンドンの国際仲裁機関に申し立てたが、06年にチェコ政府と和解契約を締結。08年6月には政府が野村に28億コルナと金利相当分を支払うことで決着し、最終的に36億コルナが支払われた。
\今回公開された文書によると、和解が成立しなかった場合のチェコ政府の支払額は206億コルナに上ると見られていたが、紛争の長期化を嫌った野村側が支払額の減額に応じたことで、政府の負担を36億コルナに抑えることができたとしている。(1CZK=4.41JPY)
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