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2010/2/3

経済産業情報

現金払い出し機手数料、半年で13%上昇

この記事の要約

他行の現金払い出し機で現金を引き出す際の手数料がこの半年で従来の5ユーロから13%上昇し、平均5.64ユーロとなった。金融コンサルティング会社FMH Finanzberatungが国内200行のキャッシング手数料を調査し […]

他行の現金払い出し機で現金を引き出す際の手数料がこの半年で従来の5ユーロから13%上昇し、平均5.64ユーロとなった。金融コンサルティング会社FMH Finanzberatungが国内200行のキャッシング手数料を調査した結果、他行の顧客から10ユーロを徴収する銀行は、貯蓄銀行を中心に10行に上った。民間大手行もドイツ銀行とポストバンクが5.99ユーロ、コメルツバンクが5.98ユーロと平均を上回っている。消費者センター全国連合会は値上げを批判、改善が見られない場合は提訴など法的手段も辞さない構えを見せている。

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国内金融機関が設置する現金払い出し機は4つの銀行系列のいずれかに属しており、顧客は自分の銀行が加盟するグループの機械からは無料で引き出せる。設置台数は貯蓄銀行グループが2万5,700台、信用協同組合グループが1万8,600台、民間大手で構成するCash-Groupが7,000台、その他の銀行が属するCash Poolが2,500台。どのグループにも属さないネットバンク大手Diba(蘭ING子会社)は1,300台を運営している。

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銀行間の合意により、2001年までは他行のATMを使用した際のキャッシング手数料が4マルク(約2ユーロ)以下に抑えられていた。だが、2002年からはこの合意が消滅。また、貯蓄銀行グループなど支店と払い出し機を多く持つ銀行は、Dibaなど支店網を持たないネットバンクを「他行の払い出し機にただ乗りしている」と非難し、他行の顧客向け手数料を急速に引き上げている。

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自前の払い出し機の設置数が少ないDibaやSEB、VW Bankは対抗手段として、Visaカードを使って他行のATMから一律1.74ユーロでキャッシングできるサービスを実施しているが、FMHの調査によると、80行以上の貯蓄銀行がVisaカードを受け付けない措置を導入しているという。

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消費者センター全国連合会は、払い出し機の手数料が消費者の需給に関係なく引き上げられているとして、独禁当局に介入を求めている。

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