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2010/2/10

経済産業情報

マイクロ流体チップで腫瘍を早期発見

この記事の要約

フラウンホーファー研究機構に所属する5つの研究所が、マイクロ流体バイオチップを用いたがん・心臓病の早期診断技術の開発プロジェクトを進めている。チップ内に血液を通し、抗原抗体反応によって腫瘍マーカー(生体因子)を検出するも […]

フラウンホーファー研究機構に所属する5つの研究所が、マイクロ流体バイオチップを用いたがん・心臓病の早期診断技術の開発プロジェクトを進めている。チップ内に血液を通し、抗原抗体反応によって腫瘍マーカー(生体因子)を検出するもので、プロジェクトに参加するフラウンホーファー珪酸塩研究所(ISC)は因子の検出精度を従来の100倍に高めることに成功したという。

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がん細胞などの腫瘍ができると、血液中にタンパク質や酵素などの特別な物質(腫瘍マーカー)が増えてくる。これらの物質と選択的に結びつく抗体を基板上に固定し、チップ内に形成された微細な流路に検体を通過させて目的物質を検出するのがマイクロ流体バイオチップだ。診断用としてすでにいくつかのシステムが開発されているが、◇検出感度がまだ不十分なため、血中の腫瘍マーカーの濃度がかなり高くないと検出できない◇診断機器が大型で医療現場での使用が難しい――などの問題がある。このため同プロジェクトでは、チップの精度向上や小型化、また1度に検出できる腫瘍マーカーの種類の拡大に重点をおいて研究を進めている。現在は4種類のバイオセンサーを統合した試作品の製作に取り組んでいるという。

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