鉄鋼系複合企業の独Thyssenkrupp（エッセン）が12日発表した2010年3月中間期決算の税引き前損益（EBT）は4億4,300万ユーロの黒字で、前年同期の赤字（4,200万ユーロ）から大幅に改善した。コスト削減と需要の回復が主なプラス要因となり、2010年9月通期の同利益で「1億ユーロのケタ台の低い水準」を確保するとした目標を半年で達成した格好だ。ただ、川上の鉄鉱石大手が約100％の大幅な値上げ要求を貫徹したうえ、景気の悪化リスクもくすぶるため、通期利益目標を据え置いた。
\売上高は195億ユーロで、前年同期から9％減少。受注高も同4％減の197億ユーロに落ち込んだ。ただ、第2四半期の今年1～3月に限ると、受注高は前年同期比で36％増加し、売上高も同3％増えた。背景には景気回復のほか、鉄鉱石価格が今後大幅に引き上げられることを見越し、顧客企業が鉄鋼製品の在庫を積み増していることがある。
\独鉄鋼業界団体Stahlによると、4月の国内粗鋼生産高は前年同月の2倍以上に拡大した。工場稼働率は90％を超えているという。
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