ドイツのアパレル大手Olymp(ルートヴィヒスブルク)は17日、高級ニットメーカーの独Maerzを完全買収すると発表した。これまでYシャツとネクタイにほぼ限られていたコレクションの範囲を拡大、シナジー効果を引きだして事業の発展を目指す。取引金額は公表しないことで合意した。
\Maerzはミュンヘンに本社を置く創業90年の老舗企業。2004年に倒産し、これまで6年間、管財人の管理下にあった。倒産後に就任したシュテファン・ギッテル社長のもとで業績を立て直し、すでに黒字転換を果たしている。昨年の売上高は2,400万ユーロだった。
\Olympは今回の買収により、Maerzが持つニット分野のノウハウを吸収。2011年秋から同社初のニットコレクションを販売し、これまで春夏物のポロシャツに限られていたカジュアルウエア事業を大幅に強化する。OlympはMaerzを「独ニット業界のMercedes」と高く評価しており、そのポテンシャルを活かして国外市場の開拓も進める意向だ。
\Olympのマルク・ベツナー社長はMaerzを買収した理由を『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、「ニット分野のノウハウを自力で構築するには時間とコストがかかる。他社に生産を委託すると、販売価格に見合った品質を確保できない恐れがある」と説明した。
\OlympはMaerzの国内従業員90人とハンガリー工場の従業員350人を全員、継続雇用する。Maerzを再建したギッテル社長にも引き続き職務を委ねる。
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