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2010/6/30

経済産業情報

サッカーと「にわか暴走族」

この記事の要約

サッカー・ワールドカップ(W杯)が始まり、街の風景が変わった。大きな都市ではパブリックビューイングの施設が設置され、国旗や応援グッズを身につけた通行人も目立つようになった。会社では社員が上の空となり、半ば開店休業と化して […]

サッカー・ワールドカップ(W杯)が始まり、街の風景が変わった。大きな都市ではパブリックビューイングの施設が設置され、国旗や応援グッズを身につけた通行人も目立つようになった。会社では社員が上の空となり、半ば開店休業と化している。サッカーがドイツの国民的なスポーツであることを考えればこれはある意味、当然なのかもしれない。「お祭り」は人々に活気を与えるものであり、この国で生活する日本人もその雰囲気を楽しんでいるようである。

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ただし、お祭り気分が高じて、「ちょっと勘弁してくれ」と思わせる行動に出る困った市民もいる。例えば、ドイツが勝った試合をパブリックビューイングで見た帰りの電車のなかで、耳がつんざけんばかりの音で笛やブブゼラ(南アフリカのラッパ風の楽器)を鳴らす輩がそうである。こうした連中と同席すると、「戦勝おめでとう」という気持ちが一気にしぼんでしまう。

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目を疑うのは巨大な国旗を振りかざして公道を車でデモ走行する光景である。クラクションを多少鳴らす程度なら「まあ仕方ないか」と思えるのだが、全開の窓から半身を乗り出し、たたみ数畳大の旗を振るのはあまりにも危険ではなかろうか。

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事実、ドイツがイングランドに4対1で勝った27日にはこうした「にわか暴走族」による交通事故が全国で相次ぎ、ノルトライン・ヴェストファーレン州のメンヒェングラードバッハでは4台が玉突き衝突。計8人がけがをした。ルール地方のミュールハイムでは正面衝突で16歳の少年2人が車外に投げ出され重傷を負った。

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交通事故は試合前にも起きた。西南ドイツのカルヴでは巨大な国旗で視界をふさがれた運転手が対向車線に入り込み、トラックと衝突。1人が重傷、1人が軽傷を負った。

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こうした事故を受け、警察は危険な運転をしないよう呼びかけている。だが、興奮したファンを下手に刺激すると暴動に発展する恐れがあるため、取り締まりの方は手を抜いているようである。

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