玩具・レジャー用品専門店の共同組合であるVedes AGは6月25日の年次記者会見で、玩具価格が今後、大幅に上昇する見通しを明らかにした。クリスマス商戦までの発注はおおむね終了しているため、この契約が切れる来年に値上げラッシュが起こるという。
\値上げの背景には玩具の大部分が中国をはじめとするアジアで生産されていることがある。ドル建てで決済されているため、ユーロ安に伴う輸入コストの上昇が避けられない。また、景気回復による輸送需要の増加で海運料金が引き上げられており、Vedesのヴェーニガー取締役はここ数カ月で料金が3倍にはね上がったケースもあると指摘した。特に大型でかさばる玩具で運賃値上げの影響が大きいという。このほか、中国で労働者の賃金要求が強まっていることも値上げの要因となる。
\ただ、業界内では値上げによって需要が大きく落ち込むことはないとの見方が強い。Vedesによると、独玩具業界の2009年売上高（テレビゲーム含まず）は前年比4％増の24億ユーロに拡大し、1995年以来最高の伸びを記録した。市場調査機関の調べによると、今年に入っても好調に推移しており、1-4月期の売上高は前年同期を2.4％上回った。玩具の購入で価格より安全性を重視する親が増えているほか、高価で精巧な鉄道模型の人気が復活していることが追い風になっている。
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