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2010/7/21

経済産業情報

神託パウル君、スペインで名誉町民に

この記事の要約

サッカー・ワールドカップ(W杯)の「神託」で一躍、人気者となった独オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル君」を、スペインの自治体が名誉町民に選んだ。スペイン優勝の宣託を下したのだから、自然といえば自然な流れかもしれない。\ […]

サッカー・ワールドカップ(W杯)の「神託」で一躍、人気者となった独オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル君」を、スペインの自治体が名誉町民に選んだ。スペイン優勝の宣託を下したのだから、自然といえば自然な流れかもしれない。

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この自治体はスペイン北西部ガリシア州のオ・カルバジーニョ町。ガリシア地方はタコ料理のメッカで、オ・カルバジーニョではタコの加工が地場産業となっている。こうした土地柄だけにパウル君への親近感はとりわけ強く、町議会は全会一致で名誉町民案を承認した。

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さて、名誉町民に選んだとなると、やはりそれに相応しい何かしないわけにはいかないというのが人の世の論理で、オ・カルバジーニョ町も抜け目なく計画を進めている。

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メディア報道によると、計画は2つある。

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1つは町長自らがオーバーハウゼン水族館を表敬訪問し、パウル君に記念品を贈呈するというものである。記念品は神託に使うガラス張りの透明な容器。ただし、これまでパウル君が愛用してきたものとは1つだけ異なる点がある。容器にオ・カルバジーニョ町の紋章が付いているのだ。

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まあしかし、名誉町民となるのであれば、町の紋章くらいは知っておいた方がよいだろう。目くじらを立てることもあるまい。

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さてでは、もう1つの計画は何かというと、これはオ・カルバジーニョ町で毎年8月第2日曜日に開催されるタコ祭り(今年は8月8日)にパウル君を招待するというものである。

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輸送には万全を期すと町長は太鼓判を押す。だが、パウル君は本当にドイツに戻ることができるのだろうか。心配する理由は2つある。

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まずはパウル君はすでに「高齢者」だということだ。長旅は身にこたえ、異国の地のストレスはそれに輪をかける。

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しかし最も恐ろしいのは、他のタコと間違えられて料理され、人間の胃袋に入ってしまうことである。地元民は懸念を示すドイツのマスコミに対し「食べたりしないから安心してくれ」とラテン系のノリで請け合う。だが、タコ祭りではタコを使った郷土料理が大量に作られるのであり、果して杞憂で済むのかどうか。

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