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2011/5/25

経済産業情報

独造船業界に回復の兆し

この記事の要約

金融・経済危機の直撃を受けた独造船業界に薄日が差してきた。独造船・海洋技術連盟(VSM)が18日発表した業界動向によると、造船・ボート・ヨット業界(修理・改造などアフターサービス含む)の2010年売上高は80億ユーロで、 […]

金融・経済危機の直撃を受けた独造船業界に薄日が差してきた。独造船・海洋技術連盟(VSM)が18日発表した業界動向によると、造船・ボート・ヨット業界(修理・改造などアフターサービス含む)の2010年売上高は80億ユーロで、前年の53億ユーロから大きく改善した。高額な特殊船や豪華船の引き渡し数が伸びたことが大きい。ただ、受注残高は減少が続いており、VSMのルント専務知事は「まったく楽観できない」と警戒を緩めていない。

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海洋船の引き渡し数は前年より5隻少ない49隻に少したものの、建造量は70万CGT(標準貨物船換算トン)から100万CGTに、売上高も26億ユーロから47億ユーロにそれぞれ増加した。船舶の種類別シェアは(CGTベース)は、主力のフェリー/客船/ヨットが76.6%で前年から6.2ポイント拡大。一方、コンテナ船は3.9ポイント減の9.0%、バラ積み船は3.7ポイント減の6.9%とシェアを落とした。引き渡し先の内訳(同)は国外が85%、国内が15%だった。

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新規受注高は前年の5.7倍の27億2,000万ユーロに急拡大したものの、受注残高は96億4,400億から73億5,600万ユーロへと落ち込み、3年連続で後退した。

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内陸船は低迷が続いており、引き渡し数は18隻少ない49隻、売上高は12%減の1億2,300万ユーロへと後退した。新規受注と受注残高もそれぞれ23%減の9,300万ユーロ、21%減の1億3,400万ユーロに落ち込んでいる。

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