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2014/5/28

企業情報

Commerzbank AG―日本の不動産融資債権売却か―

この記事の要約

独大手銀行のCommerzbankが日本の不動産融資債権を香港に拠点を置く投資会社Pacific Alliance Group(PAG)に売却するとの観測が浮上している。22日付『ハンデルスブラット』紙が業界情報として報 […]

独大手銀行のCommerzbankが日本の不動産融資債権を香港に拠点を置く投資会社Pacific Alliance Group(PAG)に売却するとの観測が浮上している。22日付『ハンデルスブラット』紙が業界情報として報じたもので、交渉は大詰めを迎えているという。同行はコメントを控えている。

Commerzbankが売却するのは業務用不動産融資債権で、時価は約7億ユーロ。PAGは同債権事業を従業員も含めて譲り受ける。取引金額は同債権の時価を5%程度、下回る見通しという。

Commerzbankは国債保有および不動産・船舶融資の規模(3月末時点で1,020億ユーロ)を2016年までに750億ユーロ未満に圧縮する方針を打ち出しており、今回の交渉もその一環として進めている。すでに昨年7月には英不動産融資債権合わせて50億ユーロ超を米銀Wells Fargoと米投資会社Lone Starに売却。今年2月にもスペインの融資債権を複数の国際的な投資家に総額7億1,000万ユーロで譲渡した。

メディア報道によると、スペインに持つ別の不動産融資債権も近く、JP MorganとLone Starからなるコンソーシアムに37億~39億ユーロで売却するもようだ。Commerzbankは融資債権の圧縮により自己資本比率を高める考え。金融業界では現在、利回りの良い投資先が求められており、同行は不動産融資債権を売却しやすい状況となっている。