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2014/7/30

経済産業情報

独企業の2社に1社が産業スパイの標的に

この記事の要約

独セキュリティサービス会社コーポレート・トラストなどがこのほど実施したアンケート調査で、過去2年間にハッカー攻撃や通信傍受など産業スパイの標的となった、あるいは狙われた形跡があると回答した独企業は2社に1社に上った。産業 […]

独セキュリティサービス会社コーポレート・トラストなどがこのほど実施したアンケート調査で、過去2年間にハッカー攻撃や通信傍受など産業スパイの標的となった、あるいは狙われた形跡があると回答した独企業は2社に1社に上った。産業スパイによる企業の被害総額は118億ユーロに達しており、100万ユーロ以上の被害を被った企業の割合も約5%に上った。調査はコーポレート・トラストがエーオン・リスク・ソリューションズ(Aon Risk Solutions)、保険大手チューリヒの独法人などと共同で独企業6,800社を対象に実施した。

産業スパイに狙われた企業のうち経済的な被害が発生しなかったのは4社に1社以下(22.5%)に過ぎず、5社に2社が1万以上~10万ユーロ未満の損害、8社に1社が10万以上~100万ユーロ未満の被害を受けた。

産業スパイに最も多く狙われる業種は自動車/航空機/造船・機械産業(22.5%)と化学/製薬/バイオテクノロジー(17.1%)だった。

産業スパイ(スパイ関与が疑われるケース含む)の手口を質問したところ、最も多かったのは「サーバーやノートパソコンなど社内ネットワークへの不正アクセス」(49.6%)で、「メール・ファクスなどの通信傍受」(41.1%)、「ソーシャル・エンジニアリング」(38.4%)、「社員が故意に情報を流す」(33.0%)、「部品納入業者・コンサルタントなどの外部の第三者から情報流出」(21.9%)も多かった。

産業スパイのターゲットとなる部署は研究・開発部門(26.3%)がトップ。2位以下はIT管理・サービス(21.4%)、営業・販売(18.3%)が続いた。