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2014/10/29

経済産業情報

害虫の被害が増加、EUの農薬禁止措置で

この記事の要約

アブラナ栽培農家がノミハムシなどの害虫による被害に苦しんでいる。昨年までは農薬散布で問題なく対処できたが、ミツバチ保護を目的に欧州連合(EU)がネオニコチノイド系農薬の使用を昨年12月から禁止したことで状況が大きく変化。 […]

アブラナ栽培農家がノミハムシなどの害虫による被害に苦しんでいる。昨年までは農薬散布で問題なく対処できたが、ミツバチ保護を目的に欧州連合(EU)がネオニコチノイド系農薬の使用を昨年12月から禁止したことで状況が大きく変化。農家は頭を痛めている。25日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

ネオニコチノイド系農薬は世界各地で深刻化している「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されている。欧州委は昨年1月、欧州食品安全機関(EFSA)がまとめた調査報告書で、ネオニコチノイド系農薬がミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすリスクがあると指摘したことを受けて、バイエルの「クロチアニジン」と「イミダクロプリド」、シンジェンタの「チアメトキサム」の3種の農薬について、域内での使用を禁止することを提案。同12月から2年間にわたって使用を禁止することを正式決定した。独BASFの「フィプロニル」も禁止対象に追加している。

FAZ紙によると、芽を出したばかりのアブラナがノミハムシなどの被害にあっている。アブラナ栽培が盛んなメクレンブルク・フォーポマーン州では作付面積の15%で被害が発生しており、アブラナ栽培から冬小麦栽培へと切り替えた農家もあるという。ノミハムシによる大きな被害は英国でも発生している。