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2014/10/29

経済産業情報

印刷機械不況の出口見えず、「独3社の合併は不可避」=大手社長

この記事の要約

印刷機械業界を襲う構造不況の出口が見えてこない。プリントメディアやカタログの需要減を背景に印刷機械の販売減に歯止めがかからない状況で、世界的な大手である独3社は人員削減を繰り返している。独大手の1社マンローランドを201 […]

印刷機械業界を襲う構造不況の出口が見えてこない。プリントメディアやカタログの需要減を背景に印刷機械の販売減に歯止めがかからない状況で、世界的な大手である独3社は人員削減を繰り返している。独大手の1社マンローランドを2012年に買収したポッセール社のウヴェ・リューダース社長は『南ドイツ新聞』に「市場の回復を見込んでいない」と明言した。

マンローランドは11年に経営破たんした。その後、ポッセールの下で経営再建に取り組み、従業員数を4,700人から2,200人に削減したものの、同社は22日、さらに250人を整理することを明らかにした。

リューダース社長によると、オフセット輪転機の世界市場規模は2007年の20億ユーロから11年には6億6,000万ユーロに縮小。現在は3億3,000万ユーロにまで落ち込んでいる。この傾向は今後も続くというのがリューダース社長の見方だ。

独競合のケーニヒ・ウント・バウアー(KBA)ハイデルベルガー・ドゥルックマシーネンも苦しい事情は同じで、KBAは先ごろ、全従業員の4分の1に当たる1,500人の削減計画を発表した。ハイデルベルガーの従業員数はピーク時の2万人から1万2,000人へと減少している。

リューダース社長はこうした現状を踏まえ、印刷機械メーカーがドイツに3社あるのは多すぎると指摘。現時点で合併に向けた協議や計画はないとしながらも、「遅かれ早かれ合併が行われるだろう」との見方を示した。

独3社の合併交渉は09年から10年にかけて行われたが、成立しなかった経緯がある。このときはまずマンローランドとハイデルベルガーが合併を検討したものの、独禁法に抵触する恐れがあり断念。その後、KBAがマンローランドに合併を打診しが、拒否された。