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2014/10/29

経済産業情報

「中印企業からアフリカ市場の奪取を」=機械業界団体会長

この記事の要約

ドイツ機械工業連盟(VDMA)のラインホルト・フェストゲ会長は21日開催の催し(第7回機械製造業サミット)で、アフリカ投資の重要性を強調した。「地政学リスクを受けてロシアなど他の市場での販売が大きく落ち込んでいる現在、ア […]

ドイツ機械工業連盟(VDMA)のラインホルト・フェストゲ会長は21日開催の催し(第7回機械製造業サミット)で、アフリカ投資の重要性を強調した。「地政学リスクを受けてロシアなど他の市場での販売が大きく落ち込んでいる現在、アフリカ諸国の成長のポテンシャルを活用することは必要不可欠だ」と発言。独機械メーカーはアフリカ市場への投資を拡大し、中国とインド企業が同市場で優位に立つ現状を打ち破るべきだと訴えた。

アフリカの域内総生産(GDP)は過去10年間、年率5.5%のスピードで拡大し、昨年は1兆8,500億ユーロに達した。人口10億人超のうち3億5,500万人は中間層に属するうえ、都市化に伴い機械などの需要も拡大している。特に食品製造・包装の分野で機械のニーズが大きい。

ドイツのアフリカ向け機械輸出は昨年、44億ユーロに達し、前年比で11%増加した。

同市場では中国とインド企業が圧倒的に強い。両国の企業は自国政府の大きな支援を受けているためだ。

ただ、ドイツ企業にもシェアを拡大する余地は十分にあるというのがフェステゲ会長の見方。それによると、中国メーカーはアフリカ企業に機械を販売するものの、保守点検・修理サービスを提供していないため、現地企業は故障した機械を前に途方に暮れており、ドイツ企業は製品とサービスの一体販売で新規顧客を獲得できるという。

アフリカ市場の開拓には政治支援も必要というのがVDMAの立場で、政府に対し 5月に閣議決定した「新アフリカ戦略」に基づく取り組みのほか、ヘルメス貿易保険の柔軟運用を要求した。