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2014/11/19

企業情報

ダイムラー―リチウムイオン電池セル生産中止へ―

この記事の要約

自動車大手の独ダイムラーが電気自動車(EV)、ハイブリッド車向けリチウムイオン電池セルの生産から撤退する。生産規模が小さく採算ラインに達しないためで、子会社リーテック・バッテリーで行ってきた生産を来年12月で打ち切る。地 […]

自動車大手の独ダイムラーが電気自動車(EV)、ハイブリッド車向けリチウムイオン電池セルの生産から撤退する。生産規模が小さく採算ラインに達しないためで、子会社リーテック・バッテリーで行ってきた生産を来年12月で打ち切る。地方紙『ゼクシッシェ・ツァイトゥング』が17日報じ、同社が追認した。

リーテックは化学大手のエボニックが2006年にリーテック・フェアメーゲンスフェアヴァルトゥングとして設立した開発・製造会社で、08年にダイムラーの出資を受け入れ、社名をリーテック・バッテリーに変更した。出資比率(当時)はエボニックが50.1%、ダイムラーが49.9%で、独東部のカメンツの工場で2011年から生産を開始した。だが、同工場で生産するセルを搭載するのはダイムラー子会社スマートの車両に限られ販売先が拡大しないことから、エボニックは今年4月、保有するリーテック資本をすべてダイムラーに売却した。

リーテックは生産事業の廃止後、研究開発の専門会社となる。従業員(280人)の大半は同じカメンツにあるダイムラーのリチウムイオン電池パック製造子会社ドイチェ・アキュモティブに移籍する。ドイチェ・アキュモティブでは次世代スマートEVモデル向けのバッテリーパックを16年から生産するため現在、生産能力を拡張している。

リチウムイオン電池セルは16年以降、韓国のLG電子から調達するもようだ。