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2014/11/19

経済産業情報

ドイツの人件費はユーロ圏平均水準

この記事の要約

労働組合系のマクロ経済・景気研究所(IMK)が欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとに17日発表した独民間企業の従業員1人当たりの人件費(ユーロベース)は昨年、1時間31.1ユーロだった。EU28カ国中8位と […]

労働組合系のマクロ経済・景気研究所(IMK)が欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとに17日発表した独民間企業の従業員1人当たりの人件費(ユーロベース)は昨年、1時間31.1ユーロだった。EU28カ国中8位となっているものの、ユーロ圏平均の29.0ユーロをやや上回る水準にとどまっており、隣国のフランス(34.9ユーロ)、オランダ(33.0ユーロ)を下回った。(表1を参照)

トップは前年3位のデンマークで、41.4ユーロに上った。2位ベルギーは41.2ユーロ、3位スウェーデン(前年1位)は41.0ユーロで、上位3カ国はほぼ同水準となっている。4位はフランス。英国は20.7ユーロで、13位だった。

ドイツの人件費はサービス業で上げ幅が前年比0.3%にとどまったのに対し、製造業では3.3%と大きかった。製造業は競争力が高くベースアップ幅が大きいという事情が背景にある。来年は最低賃金が導入されるため、低賃金セクターが多いサービス業で人件費が大幅に上がると予想される。

リーマンショックが起きた2008年から13年までの人件費の上昇率(各国通貨ベース)をみると、ドイツは年率2.2%で、ユーロ圏平均(2.2%)と同水準だった。上げ幅が最も大きいのはブルガリアとルーマニアでそれぞれ7.6%、6.7%を記録。ポーランド(3.4%)とオーストリア(3.3%)がこれに続いた。フランスは1.9%、英国は1.3%。財政危機に陥った国では、ギリシャがマイナス2.5%となったほか、ポルトガルとアイルランドもそれぞれ0.1%、0.3%の小幅な伸びにとどまった。スペインは1.9%と上げ幅が比較的大きく、イタリアは同2.7%に達した。(表2を参照)