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2014/12/10

企業情報

シーメンス―石油・天然ガス採掘用製品事業の強化路線堅持―

この記事の要約

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は米ドレッサー・ランドの買収を通して強化に乗り出した石油・天然ガス採掘用製品事業を今後も拡大していく方針だ。ジョー・ケーザー社長などが9日の投資家説明会で明らかにした。石油価格はここ数 […]

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は米ドレッサー・ランドの買収を通して強化に乗り出した石油・天然ガス採掘用製品事業を今後も拡大していく方針だ。ジョー・ケーザー社長などが9日の投資家説明会で明らかにした。石油価格はここ数カ月、急速に低下しているため、短期的に影響を受けるが、中・長期的には石油・天然ガス採掘産業からの需要見通しが良好だとの見方を示した。

ドレッサー・ランドは石油・天然ガス採掘用タービン、コンプレッサーの有力企業で、従業員数は約8,100人、昨年の売上高は約30億ドル。シーメンスは製品・地域面で自社との補完性が高いほか、米国でシェールガス・オイルの採掘が活発になっていることから買収に踏み切る。ただ、原油価格がこのところ下がり続けていることを受けて、市場にはドレッサー・ランド買収の効果を疑問視する声が出ている。

同社は今回の投資家説明会でこうした懸念を否定。適切な案件があれば同分野で将来、新たな買収を行う考えを明らかにした。また、ドレッサー・ランド買収のシナジー効果についても当初見通しを30%上回るとの見方を示した。買収計画を発表した9月の時点では2019年以降、年1億5,000万ユーロ以上を見込むとしていた。

シーメンスはこのほか、同社売上の5分の1(145億ユーロ)を占めるサービス事業の強化方針も明らかにした。特にデジタル・サービス分野(売上高5億ユーロ弱)で20年まで年率15%の高成長を見込んでいる。