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2014/12/10

経済産業情報

BMWで社長交代、世代交代進む VWはBMWのコストカッター引き抜き

この記事の要約

ドイツの自動車大手2社が9日、役員人事を相次いで発表した。高級車大手のBMWではノルベルト・ライトホーファー社長(58)が任期終了前に退任して監査役会長に就任。後任にはハラルド・クリューガー生産担当取締役(49)が就任す […]

ドイツの自動車大手2社が9日、役員人事を相次いで発表した。高級車大手のBMWではノルベルト・ライトホーファー社長(58)が任期終了前に退任して監査役会長に就任。後任にはハラルド・クリューガー生産担当取締役(49)が就任する。一方、フォルクスワーゲン(VW)グループはBMWのヘルベルト・ディース開発担当取締役(56)を来年10月1日付でVWブランド乗用車部門担当の取締役(同部門社長)に任命する。

BMWのクリューガー次期社長は1992年の入社で、2008年に取締役(人事担当)に昇格。生産担当取締役には13年に就任した。ライトホーファー社長よりも一回り若いため同社では世代交代が進むことになる。

ディース氏は96年、BMWに入社。07年にサプライヤー担当の取締役となり、調達コストの削減で辣腕をふるった。開発担当取締役には12年に就任した。

ディース取締役は一時、BMW次期社長の有力候補とみなされていたが、同社には60歳で社長を退くルールがあるため、現在56歳の同取締役は年齢がマイナス材料となったもようだ。VWに転出するのはBMWの社長になれなかったためとみられる。

VWブランド乗用車部門は現在、利益率が低く、VWグループのヴィンターコルン社長(現在はVWブランド乗用車部門社長を兼任)は収益力の強化方針を先ごろ打ち出した。ディース氏を同部門の責任者として招聘したのはコストカッターとしての手腕を買ってのこととみられる。

VWグループのヴィンターコルン社長は現在67歳で、16年末で任期が切れる。ディース氏が経営面で成果を挙げれば、同グループの次期社長に就任する可能性もあるようだ。ヴィンターコルン社長の後継者候補としてはこのほか、ポルシェのマティアス・ミュラー社長(61)、アウディのルーペルト・シュタートラー社長(51)、クリスティアン・クリングラー販売担当取締役(46)の名が取りざたされている。