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2014/12/10

経済産業情報

従業員研修の実施企業が増加、コストは1人当たり1,132ユーロに

この記事の要約

従業員研修を実施する企業が増えている。財界系シンクタンクIW経済研究所が8日発表した調査レポートによると、2013年に同研修を行った企業は全体の86%に達し、10年から3ポイント上昇した。業績拡大や画期的な新製品・サービ […]

従業員研修を実施する企業が増えている。財界系シンクタンクIW経済研究所が8日発表した調査レポートによると、2013年に同研修を行った企業は全体の86%に達し、10年から3ポイント上昇した。業績拡大や画期的な新製品・サービスの開発には従業員の能力向上が不可欠と考える経営者が増えているほか、従業員サイドからも要望があることが背景にある。金属労組IGメタルは年明けに始まる労使交渉で雇用者負担の従業員研修拡充を要求する方針だ。

従業員の年研修時間は1人平均32.7時間で、10年に比べ11%増加した。研修の3分の1は勤務時間外に行われており、従業員が能力アップを自ら進んで行う傾向がうかがわれる。

ドイツ企業が従業員研修に投じた額は計335億ユーロに達し、10年実績を16%上回った。1人当たりのコストは1,132ユーロに上る。

IWの調査では、適切な人材の新規採用が難しいと回答した企業の約半数が既存社員への研修で人材不足に対応していることも分かった。