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2014/12/10

経済産業情報

スーパー大手エデカの競合買収 独禁当局が準備の仮差し止めを命令

この記事の要約

連邦カルテル庁は4日、独小売大手のエデカが競合テンゲルマンの食品スーパー子会社カイザースの買収に向けて進めている準備に対し仮差し止めを命じたことを明らかにした。メディア報道を追認したもので、買収審査の終了前に合併の既成事 […]

連邦カルテル庁は4日、独小売大手のエデカが競合テンゲルマンの食品スーパー子会社カイザースの買収に向けて進めている準備に対し仮差し止めを命じたことを明らかにした。メディア報道を追認したもので、買収審査の終了前に合併の既成事実が作られるのを阻止するためだと説明。合併を承認するかどうかは現時点で白紙だとしている。

テンゲルマンは10月、カイザースを独食品スーパー最大手のエデカに売却すると発表した。カイザースは事業規模が小さく赤字が続いており、単独で生き残るのは不可能と判断したためだ。

買収審査の期限は来年3月6日となっており、買収計画にカルテル庁の許可は下りていない。だが、エデカは買収に向けた準備としてすでに、商品調達・決済の共同化、一部支店・倉庫・食肉加工工場の所有権移転、およびこれに伴う人事異動についてテンゲルマンと契約を締結。カルテル庁はこれを問題視し、買収審査が終了するまで合意内容を実行しないよう命じた。

ドイツの食品スーパー市場では寡占が進んでおり、エデカ、レーベ、アルディ、シュバルツ・グループ(リドル)、カウフランドの5大勢力は合わせて85%のシェアを持つ。このため、今回の取引は当局に承認されない可能性もある。