欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/12/10

経済産業情報

所得格差の拡大で成長率鈍化=OECD

この記事の要約

経済協力開発機構(OECD)は9日発表したワーキングペーパー『所得格差の動向と経済成長への影響』で、「所得格差の縮小している国は所得格差が拡大している国より速く成長する」との分析結果を明らかにした。ドイツは所得格差が拡大 […]

経済協力開発機構(OECD)は9日発表したワーキングペーパー『所得格差の動向と経済成長への影響』で、「所得格差の縮小している国は所得格差が拡大している国より速く成長する」との分析結果を明らかにした。ドイツは所得格差が拡大しており、成長率が押し下げられたとしている。

ドイツの最上位10%(最富裕層)の所得は1985年時点で最下位10%(最貧困層)の5倍に上っていた。現在はこれが7倍に拡大している。OECDによると、同国の国内総生産(GDP)は1990年から2010年にかけて合わせて25.7%拡大したが、所得格差が仮に85年の水準にとどまっていれば、5.7ポイント多い31.3%に達していた。日本についても成長率が実際の17.5%より5.6ポイント多い23.1%に押し上げられていたという。

OECDは格差が成長を損なう主な要因として、貧困層の教育投資不足を指摘。「低学歴の両親を持つ個人は、所得格差が拡大するにつれ、教育成果が悪化する。これに対し、中学歴または高学歴の両親を持つ個人は、格差が拡大しても、ほとんどあるいはまったく影響を受けない」との見方を示した。